雑談散歩

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青森港新中央埠頭でイヌホオズキの花が咲いている

(ナスの花みたいな雰囲気のイヌホオズキの花。)


青森港新中央埠頭の空き地では、目立たないが、ちらほら夏の花が咲いている。
イヌホオズキもそのひとつ。

空き地の端、歩道の縁石の陰でひっそりと咲いていた。

私は以前、このイヌホオズキのことを「イヌナスビ」と、間違った名前で覚えていた。
イヌホオズキの花や実は、ホオズキとは程遠いからだ。
特に、実がまるで違う。
ホオズキは、花が咲いた後に六角状のガクの部分が発達して果実を包み込んで袋状になる。
その袋が、熟すと赤っぽい色になるのはおなじみだ。


(イヌホオズキを上から撮影。)


もちろん標準名が「イヌナスビ」という植物は存在しない。
が、イヌホオズキの草としてのイメージが、「ホオズキ」的ではなく「ナスビ」的であるから、「イヌナスビ」という間違った名前の方へ引っ張られてしまうのだ。

イヌホウズキはナス科ナス属の植物。
やっぱり、ナスだった。

動物の名がつく植物名のなかで、イヌがつく植物がもっとも多いという。
たいていは役に立たない植物だから「イヌ」がつくのだという説がある。
役に立たない「死」を「犬死」と言うじゃないか、とその説の支持者はおっしゃる。

「死」について、役に立たない死だとか無駄死にとか、そんな意見こそ指示できないものだ。


(花。)


イヌタデとかイヌビエとかイヌガヤとか。
イヌのつく植物はみんな役に立たないということらしい。

自称愛犬家としては、なんとも聞き捨てならない話である。
犬は縄文時代から、人間の良き友だったのだ。
友に対して、役に立つとか立たないとか、そんな話は嫌なものだ。


(花と果実。)


イヌホオズキの花は、直径1cm前後と、草丈のわりには小さい。
草丈は40cmから60cmぐらいまで育つ。
果実は、直径1cm以下のものがほとんど。
写真のような緑色が、熟すと黒に変わる。

イヌホオズキの草姿は、見方によってはホオズキに似ていなくもない。
しかし、本当にホオズキか、と問われれば即座に「否(いな)」と答える。
草姿は若干似ているが、花も実もホオズキとは別物、「いなホオズキ」である。
こういうふうに、「イヌ」は、「否」の「イナ」がなまったものだという説もある。
本来なら「イナホオズキ」と言うところ「イヌホオズキ」となまってしまった。
他の「イヌ・・・・・」という草の呼び名も、以下等分である。

私としては、こっちの説に一票入れたい。


(葉。)
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