雑談散歩

    山スキーやハイキング、読書や江戸俳諧、山野草や散歩、その他雑多なことなど。

北八甲田山系、谷地温泉から高田大岳へ

谷地温泉後ろのブナ林の上に高田大岳が頭をのぞかせている。


今日は、快晴を約束された日。
朝から夕暮れまで、春の晴天だった。
家を7時30分に出て八甲田山へ。
本日の山は、北八甲田高田大岳(標高1552メートル)。

8時30分頃、酸ヶ湯温泉前を通過。
と、酸ヶ湯温泉を越えたところの冬季用ゲートが閉まっている。
その前に、3台の他県ナンバーの乗用車。
ゲートには貼り紙があって、「4月1日から4月21日まで夜間通行止め」となっていた。

夜間とは、「夕方18:00から翌朝9:00まで」
待っていると8時50分ごろ、係員がきて開門。
笠松峠を越えて谷地温泉に向かった。

ところが、谷地ゲートは9時を過ぎても開門しない。
十和田市方面から来て、ゲートの開門を待っている運転席の不平顔。
山を歩きたくて、うずうずしている御同輩だ。
9時7分頃、やっと開門。


ブナ林の緩い斜面を登る。左手に南八甲田の峰峰。


谷地温泉駐車場で身支度を整えて、9時20分にスタート。
気分の良いブナ林を抜けて、広々とした雪原に10時頃到着。
この雪原が、徐々に傾斜を増して、高田大岳の急登につながる。

スタート地点の谷地温泉が標高790メートルぐらいであるから、高田大岳山頂(1552)までの標高差は762メートルぐらい。
(1)マイペースでゆっくり登る。
(2)急斜面は歩幅を狭くして、脚部の筋肉を大きく動かさないようにスキーをスライドさせる。
(3)赤子をあやすように、静かに脚の筋肉をだましだましして、疲れを溜め込まないように歩く。

上記3点を心に念じながら、手強い急登に耐えた。
途中、かなりの急登を強いられる。
スキーシールでの直登は、まず無理。
斜登高でも、雪面が固いと、スキーのエッジで踏ん張ることができずにスリップするかもしれない。

逆に、水分を含んだザラメ雪のように、雪面が柔らか過ぎても、スキーが横ずれして、足元を奪われてスリップ滑落ということもあり得る。
そんな急斜面なのだが、今日は雪面が固すぎず柔らかすぎず、ちょうど良い加減だったので、山頂までスキーシールで登ることが出来た。

もし高田大岳の南東斜面で、スキーシールでの登高が困難になったら、登り方向左手のアオモリトドマツの林立する中を「つぼ足」で登らなければならないだろう。
そこは、風当たりのつよいアオモリトドマツの影響で、段状に吹き溜まりが出来ており、スキー靴でのキックステップが比較的容易であるからだ。


雪原の向こうに、秀峰高田大岳。

この雪原まで来ると、南八甲田の峰峰が姿を現し始める。

登り中程から眺める南八甲田連峰。


今日は、雲ひとつない快晴だったので、登るほどに広がる南八甲田連峰の景色を楽しめた。
八甲田山系それぞれの、山を登っている人達の歓声が聞こえそうなくらいだ。
急登のしんどさと晴れ晴れとした幸福感が交互に訪れる行程。
家庭でも感じたことのない幸福感を、孤立感しかないような単独山行で感じるなんて。
完全に自身の世界にひたっているという充足度が違うのだ。

12時30分、山頂到着。
山頂は、強めの風が吹いている。
鼻水少々。
寒風にさらされながら絶景見物。
北八甲田赤倉岳の白い大斜面が見える。
田代平の箒場(ほうきば)へ滑り込む、春スキーの箒場コースの斜面だ。
しばし風景に見とれた。
4月半ばのちょうど日曜日に、こんな好天気は珍しい。


南八甲田連峰。

高田大岳山頂。

山頂から、北八甲田赤倉岳を眺める。

高田大岳のお隣の雛岳。


山頂での小休憩の後、準備を整えて、体が冷え込まないうちに滑降。
雪が、素晴らしく良い。
シャワシャワの細かいザラメ雪。

スキーが走る走る。

今日は雪に助けられて、めずらしく上手に滑れた。
長い登りに比べたら、一瞬の快楽タイム。
滑り降りてしまえば、なんとも名残惜しい山。
まだ山頂のあたりに、ウロウロしている自分が残っているような感覚。
登りの際に休憩した、大斜面の傍らのアオモリトドマツの影が妙に懐かしい。
久しぶりの長い急登と急斜面滑降にドキドキワクワクした一日だった。


南八甲田乗鞍岳(右)と赤倉岳(左)。

南八甲田横岳(右)と櫛ヶ峰(左)。

手前の白い山が硫黄岳(右)と石倉岳(左)。奥のなだらかな山が横岳。

高田大岳南東斜面を滑降。

興味のある方は、このブログ内のテレマークスキー記事まとめページへどうぞ
Next Post Previous Post

広告